圧迫骨折のほとんどは、高齢者に起こります。最も頻度が高い『骨粗鬆症性骨折』です。
青壮年においても、転落や事故などの強い外力で発生することがあり、その場合、圧迫骨折以外の骨折や、脊髄損傷などを同時に発症することがあります。
日本では、
70代前半の25%
80歳以上の43%に圧迫骨折がみられます。
さらに、70歳以上ではその半数以上が一カ所だけでなく、複数の圧迫骨折を有しているという報告があります。
⚪️どんな人に多い?
閉経後の日本人女性では、BMIが25以上のグループは、BMIが18.5以上25未満のグループに比べて圧迫骨折の指標が64%多いと報告されており、
体重との関連が示唆されています。
圧迫骨折の好発部位は、
胸椎〜腰椎に移行する部分が最も多く、
胸椎の第7番目を中心とした中位胸椎がそれに続きます。
胸腰椎移行部は、脊椎のカーブが変化する部分で、椎体の前方にかかる力学的負担が大きいこと、第11.12胸椎では、肋骨が胸骨と関節していないことなどから、圧迫骨折が起こりやすいとされています。
⚪️圧迫骨折による『胃食道逆流症』『呼吸機能の低下』に要注意!
圧迫骨折により、変形したまま骨癒合することで内臓に圧迫力が加わりやすくなり、食欲不振や、胃食道逆流症(GERD)、呼吸機能の低下が起こることもあります。
圧迫骨折のほとんどは高齢者であり、ただでさえ栄養摂取が不足しがちであるところに、食物の摂取を抑制してしまう可能性があるGERDは高齢者の身体機能低下に大きな影響を与える可能性があります。
呼吸機能低下は脊椎後弯55°以上で明らかに低下します。(正常値は20°〜40°)
これにより、QOL、ADLの低下、そして死亡リスクの上昇にも影響が出てきます。
圧迫骨折の2/3は痛みを感じることがない無症候性であり、骨折を自覚しないとの報告もあります。
転倒した際は、ほったらかしにせず、念の為検査をされることをおすすめします。